ツノのような2本の触角を突き出し、牛のようにのっそりと海底を移動する動物、ウミウシが近ごろちょっとしたブームだという。種ごとに異なるユニークな形状とカラフルな色彩で、ダイバーたちに人気があり、最近では写真集や図鑑も発刊され、「海の宝石」なんて呼ばれることもあるみたい…と、ここで素朴な疑問。ウミウシって、どんな生き物なの?
「ウミウシは軟体動物。優に1000を超える種が、浅い砂地や岩礁から暗い深海底まで、世界各地の海に生息しています。『腹足綱』(巻貝綱)に属していますが、その多くは進化の過程で貝殻を体内に埋没させたり、脱ぎ捨ててきました。イメージとしては同じく陸にすむ巻貝類、中でも殻をなくす方向に進化したカタツムリ、つまりナメクジに近いかもしれません」(『ウミウシ学』著者・千葉大学理学部・平野義明准教授)
ナメクジか。それにしては色がとてもカラフルなのはなぜ?
「理由は、2つあると考えられます。ひとつは色とりどりの背景に『擬態』をして目立たなくなるため。たとえばイソウミウシは真っ赤ですが、本来の生息場所である赤いカイメンの上にいると目立ちません。もうひとつは逆に目立つため。派手な色や模様で『毒を持っているぞ』と、魚などの捕食者に警告しているのだと考えられています。実際、ウミウシの中には食べられた瞬間にマズい化学物質を出す種もいるんですよ」
つまり食べられないための防衛手段としてカラフルに進化した可能性があるってことか。じゃあ食べてみたらどんな感じでしょう。また、飼育はできる?
「やはり毒を持つ種もいるので食べるのには適さないでしょうね。飼育は、餌となるサンゴやカイメンなどの調達が難しいので困難なものが多いでしょう」
飼育が難しいとはいえ、展示している水族館も少数ながらある。今年は丑年だし、海のウシにも興味を持ってみてはいかが?極彩色な見た目に心奪われるかも!?
(R25編集部)
おばは、ウミウシとかアメフラシ好きなんだって~
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